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植物の命が  静かに朽ちゆく時。

その儚い美しさを 白妙の絹布に — 。

中島みゆき(花)

SOIE:LABO Designer/Artisan・Couture Flower Artist

東京生まれ。大学卒業後、独学でクチュールフラワーの技法を習得。

総合商社でジュエリー・アクセサリーブランドのマネージャーとして商品企画・PR・店舗開発を経験した後、2012年に独立。布花作家として活動、また化粧品会社のパッケージデザインやジュエリーブランドの商品企画などにも携わる。

2013年にSOIE:LABOを立ち上げ、初のコレクションを発表。2014年からはオリジナル作品の他コラボレーションワークにも参加し、2015 divka 2016S/S Collection ( MBFWT 2015.10月) ではランウェイのヘッドピースを製作。

2017年9月にフランス パリへ拠点を移す。

青野賢一さん(ビームス創造研究所 クリエイティブディレクター)より

 私は、「ビームス」という日本のセレクトショップの草分け的存在の会社に30年ほど勤務しており、またファッション、アート、映画、音楽、文学などについて様々なメディアに寄稿するライターでもあるが、私が知っているフラワー・クチュール作家、中島みゆきさんは、かの分野において、装飾性と芸術性を兼ね備えた作品を生み出す、稀有な存在である。


 ご存知のように、フラワー・クチュールはヨーロッパ、とりわけフランスで花開いた芸術的な手工芸文化であるが、中島さんの作風は、そのスピリットを継承しながらも、日本人の感性と繊細な手仕事でしか表現しえないものとして、特筆すべき個性を湛えている。たとえば《暈》と銘打ったシリーズでは、植物油の煤から作られた油煙墨を用いて、いわば水墨画のように滲みを尊ぶ花弁の彩色方法を採用しているが、この手法により出来上がった作品は、光を吸い込んで装いに思いがけない陰影を投げかける。あるいは、岩絵の具や雲母、胡粉によって彩色した《閃》というシリーズは、控えめな色合いと顔料独特の質感が落ち着きのなかに一条の光を覗かせている。これらの作品の出来栄えが、確かな職人的技術に支えられているのは改めて申すまでもないだろう。

 華やかに咲き誇る姿だけでなく、植物が朽ちつつあるその瞬間にさえ美を見出す中島さんの視点は、「もののあはれ」を見る日本古来の美意識であり、その作品を通じて、有限なる存在としての人間のあり方までも我々に問いかけるものである。これらを表層的なアプローチで声高に叫ぶのではなく、あくまでも奥ゆかしく、それでいて確実に表現するところに彼女の真骨頂があるのではないだろうか。


ビームス創造研究所 クリエイティブディレクター / ライター
青野賢一